4年前に長男と二人で軽登山を始め、高尾山・川苔山・飯盛山に登ったりして、次は富士山に登ってみようと話をしていたのだが、だんだんと長男の勉強が忙しくなってしまい、やっと実現したのが大学1年生となった夏の2008年の8月14日のことである。
登山ルートは、スタート地点の標高が一番高く(2,400m)て最短で登れる「富士宮口ルート」が第一候補であったのだが、この時期はマイカー規制があるので、水ヶ塚駐車場にクルマを停めてシャトルバスで五合目まで行かなくてはならない。朝一番早い6時のシャトルバスでも五合目到着が6時40分。そこで1時間休憩すると登山開始が8時少し前になってしまう。これだと頂上に着くのが14時ぐらいになってしまうので時間的にかなりタイトで無理。そこでマイカー規制のない須走口ルートで行くことにした。ただし駐車場は午後の早い時間に満車となってしまうというので、ふじあざみライン下り車線の路肩駐車となる。須走口ルートは五合目の標高が2,000メートルと低く、登山時間が長くなるのが難点なのだが、登山開始時間は自分で決められるわけである。
当初は8月13日に行く予定であったが、天候が怪しいとの予報で1日順延し、翌日の8月14日(木)の早朝(深夜)1時30分に自宅を出発した。さすがにこの時間、首都高速はガラガラ、東名もスイスイで3時に御殿場ICに到着、138号線で須走を経由し、ふじあざみラインに入る。しばらく登ってゆくと下り車線にびっしり路肩駐車の列。一台のクルマが駐車場まで行かずにUターンしていて道路を塞いでいる。我々もあきらめてここでUターンして路肩駐車の最後尾へ駐車。午前4時着。着替えそしてトレッキングシューズに履き替えて朝食を取り、高度になれるためしばらく休憩する。


路肩に駐車中のKAZ車 満天の星空だった
午前5時10分クルマから出発。GPSによる表示ではクルマを停めた地点の標高は1,800メートル。ふじあざみラインをテクテク歩くこと23分で五合目に到着。チップ制トイレ(200円)に寄って五合目の山荘「菊屋」の前を通ったら、「お茶でも飲んでいって下さい」と言われたので、昆布茶をいただいて再出発。


路肩にびっしり駐車の列 富士山がきれいに見えた!


山荘「菊屋」 チップ制トイレ200円
登山道入り口からすぐ階段を上ったところに「古御岳神社」があり、そこから樹林帯の中を登っていく。しばらく登っていくと視界が開けるところがあり、良い天気だったので山頂まできれいに見えた。さらに灌木帯を登っていくと新六合目の「長田山荘」(2,450m)に到着。時刻は6時41分、1時間ちょっとだ。さらに灌木帯をしばらく登ると尾根道になり、さらに登ると本六号(2,700m)に7時33分到着。ここから先は灌木がなくなって岩がごろごろ多くなってきて、斜度もきつくなってくる。七合目の太陽館(2,950m)に到着したのが8時18分。


樹林帯を抜けて視界が開ける 新六合目 6:41
七合目からはもう山頂が見渡せるのだが、だんだんと呼吸が辛くなってきた。鳥居が見えたり山小屋が見える。少しずつ立ち止まる回数が多くなってきた。本八号目(3,400m)に着いたのが9時41分。なんだか立ち眩みのような症状が出てきて辛い。携行してきた酸素缶の酸素を吸うことにした。ここでトイレに入ろうとしたら、浄化槽のメンテナンス時間だということで一時閉鎖中だった。


八合目 江戸屋 八合目から山頂を望む
ここから先は高度障害がひどくて、10m登っては休み、また登っては休みの繰り返し。長男は高度障害とは無縁のよう元気いっぱいだ。とにかく登らなくては先に進まないのでなんとか頑張る。登山道では、やはり私のように気分の悪くなった人が座り込んだり、横になって休んでいる人もいた。酸素缶の酸素を吸うと少し動けるようになり、もう吸いながらずっと登っている。八号五勺の鳥居を11時5分に通過。さらに30分以上かかってやっと9合目に到着。本八合目から9合目まで1時間20分もかかった。


本八合目から下界を望む 本八合目から山頂はもうすぐに見えるが…
もう山頂はそこに見えているのだが、呼吸が苦しくて心拍が拍々して身体が動かない。あといったいどのくらいで頂上に着くのだろうか?ずっと同じようなペースで登ってきている60歳代のお父さんと20代のお嬢さんがいた。お父さんは元気でお嬢さんは私と同じように辛そう。お父さんの方に「あとどのくらいで頂上に着きますかね?」と聞いてみたら、「もうそこに見えるでしょ。普通なら15分ぐらいでしょう」と言われた。
登山道は岩がゴロゴロとしてジグザグに進む。また一歩の段差もかなり高くなってきて心臓がきつい。とにかくあの曲がりまで、あとそこまで、という感じで進むしかない。長男は少し上で私のことを待っている。長男には、「お父さんは休み休みでないと登れないから、ごめんね。」とペースを合わせてもらう。
最後の鳥居が見えてきてもうすぐだ。でも足は進まず、山頂から10m手前のところの階段に腰を下ろしまた休憩。最後の力を振り絞ってようやく山頂に到着したのが、12時33分。9合目から山頂まで、なんと54分もかっかった。
山頂は結構な人でにぎわっている。どこのベンチもいっぱいなので、山小屋で少し休憩する。お昼ご飯を食べようと思うが、あまり食欲がなく、パンを半分とビスケットを2枚食べただけ。お昼時なのでみんないろんなものを注文している。うどんは800円、カレーライスは1,200円。どれも少なめで値段は高い。まあここまで運んでくるのだから、ペットボトル飲料が600円というのもうなずけるかな。


富士山頂に到着!KAZで~す パンパンに膨らんだビスケット

山頂のメニューはこんなもん
30分ぐらい休んでトイレに寄ってから13時下山開始。「いやぁ~下りは楽々だぁ~」身体を動かしても心臓が全然拍々しない。砂礫の道は歩きやすい。なんと35分で本八合目に到着。しかし、長男が「足の指の皮が剥けそう」と言う。シューズを脱いで親指にバンドエイドを貼る。下りはどうしてもつま先に体重がかかるので親指が痛くなる。本当はどんどん降りられるのだがゆっくりと降りる。登りの私と今度は立場が逆転だ。


七合目の山小屋が見えます 雲の上のKAZで~す
七合目に14時23分到着。少しガスが出たり晴れたりと忙しい。さあここから砂走り。一気に行きたかったが、かなり長男が痛がっている。さらに足首まで痛めてしまったようで本当に辛そう。あまりしんどそうなので、私が長男のリュックを持ってあげることにした。リュックを背中と前抱っこすることになるとは。とにかく休み休み降りる。ここは結構傾斜があるので気をつけないと尻もちをついてしまいそう。私もなんどか滑ってしまった。砂払五号(2,300m)に着いたのがなんと15時51分。
吉野屋のベンチで一休みしてまた下山道を下る。ここからは樹林帯。傾斜はもうたいしたことはないのだが、砂走りと違って段差があるので、また足首にはつらそうな道だ。足首の靱帯を痛めてしまったのかと思い、帰りに「どこかのコンビニで氷を買ってアイシングしなければだめだな」とか思い始めていた。長男も痛くて辛かっただろうが、16時33分にようやく五合目に到着。山荘の人にお疲れ様と声をかけられ、キノコ茶をごちそうになる。塩分が効いていておいしかった。
長男はとてもクルマまで降りて行けそうもなかったので、五合目で待っているようにして、私だけがふじあざみラインを下って行く。トレッキングシューズで舗装道路の坂道を下ると足が痛い。私も親指の皮がずるずるになっているようだ。五合目駐車場から私が停めたクルマまでは約2.3kmぐらい降りたところのようだった。しかしクルマまでは長かった。下りでも23分かかった。

Forerunner201による軌跡 登り5~6合目はロスト
シューズとズボンを履き替えて五合目まで戻ると、駐車場入り口のところまで長男が来ていた。私は暑くて仕方がないのに、長男は気分が悪いらしく寒いと言っている。少し下ったところの路肩にクルマを停める。長男は着替え、私はお腹がすいたのでおにぎりやパンを食べた。
17時30分ふじあざみラインを出発。途中セブンイレブンで氷を買い、長男の足首をアイシングしながら帰る。御殿場IC手前で、横浜町田~大井松田25km渋滞中という表示が出ていたが、そこそこ流れていて21時少し前には自宅に到着した。
続く…